オーブンの向こう側

大きいだけで僕は幸せを感じる。
丸いだけで心が癒される。

３・１１以降、僕は優しさに満ちたバウムクーヘンを焼こうと思った。

悲しみや、不安、その思い簡単には消えないよね。

でも食品には力がある。

重く沈んだ心を、開放し、和らげる力がある。
みんなが食べた後に微笑んでくれたら、そんな思いからこのバウムは生まれた。

子供の頃食べた、母が作る出来立てのオムレツのような、暖かみのあるバウムメロス。

今、思います。メロスは友人の為では無く、本当は自分の為に走ったのだと。
共有する心は私たちを前に進める。
僕もバウムを作り、走りたいと思う。

あなたに心から喜んでもらう為に。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シェフ　　折原祥浩

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